In My Circle

せんがんが、よしなしごとをつづります。

Webクリエイティブ職のキャリアを考える(後編)

変わり続けるには

Webクリエイティブ職のキャリアを考える(前編)」では、現状のスタイルに固執せず、また変化を恐れないことが、これからのWeb業界で生き残っていくためのひとつの秘訣ではないか…ということを書きました。

そして、それを実践するには「外の世界」とのつながりを保ち続けるしか無いと私は考えています。

「外の世界」に触れるには、私のように意識的にフットワーク軽くあちこちに出向くのが、時間もお金もかかるしちょっと面倒なこともあるけど、もっとも確実な方法だと思ってます。会社の同僚といつも一緒にいたのでは、それなりに情報をアップデートしているつもりでも同じような方向からの見方しかできなくなってしまいがちです。時には全然違う環境で仕事している人たちと交流を持ってみると、目からウロコがぽろぽろはがれるような経験ができるのではないでしょうか。

長谷川恭久さんのように「引きこもり」(には見えませんが 笑)志向の方は、ブログなどで発信を続けるのもいいですね。
ここで注意が必要なのは、ブログを読んでるだけじゃダメだということです。こちらから何かしらの情報を発信して、それに対する意見をもらうことで初めて成りたつ種類のコミュニケーションがあり、それこそが自分自身にドラスティックな変化をあたえるきっかけになるような気がするので。

でも、「外の世界」とつながり続けるには根気と体力が要りますよね。
私は、それを支えるのは好奇心だと思ってます。

Webの世界は技術の変化が早いので、ついていくだけで大変です。話題になっているものをすべて追いかけてマスターする必要はありませんが、新しいものを見たときに「イヤだなあ」と感じるか「とりあえず、どんなものだか見てみよう」と感じるかは、その人の「Web業界適正度」をはかるには結構有効なんじゃないでしょうか。
ちなみに、ここのところ一部で話題になっている「黒い画面」(Windowsの「コマンドプロンプト」やMacの「ターミナル」など)も、食わず嫌いで手を付けないのはもったいないですね。

ヒトがやるべきことだけやる

このエントリーを書くきっかけになったハヤシさんも書かれているとおり、今後、機械化できるものは機械におまかせする方向に変わっていくと思ってます。
自動改札が普及して駅員さんが切符を切ることが無くなったように。
工場のオートメーション化が進んで多くのライン工が仕事を失ったように。
私たちの仕事で言えば「HTML/CSSのスクラッチコーディングが超素早くできる!」なんてことは、もはやアピールポイントじゃなくなりつつありますよね。

いま自分が必死で磨いているスキルがもし機械化できるようなものなら、そちらはほどほどにして他にも目を向けた方がいいように思います。
たとえば、「つくる」工程を自動化したり効率化するためのツールはすごい勢いで進化しているので、もし今後もそこに携わり続けたいのであれば、つくる技術そのものではなく、機械がつくったものをジャッジしたりツールをチューニングする術を学ぶ方が、まだ将来性を感じられるような気がするのです。

とうことで、前編後編にわたり長々と書いてきましたが…。
機械に駆逐されない分野をしっかり見きわめて柔軟に姿を変えながら歩いていけば、生涯を通してWebクリエイティブに関わり続けることも不可能ではないし、価格競争でつぶされることもない、というのが(「そうあってほしい!」という希望含みの)結論です。

余談ですが…

余談その1

私の夫は漫画家です。
彼は5年くらい前に仕事のスタイルをがらっと変えました。それまでのペンでケント紙に描くやり方から、ペンタブレットを使ってパソコンのカンバスに描くやり方に切り替えたのです。

もちろん最初のうちは不慣れな作業にイライラしたり試行錯誤の連続で辛そうでしたが、描き損じを修正したりスクリーントーンを貼ったりするには手描きよりパソコンの方がはるかに効率的です。

最近はパソコンでの作業にもすっかり慣れて、機械化によって空いた時間を、絵の精度を高めたりプロットを練ったりするのに費やすことができるようになりました。
いまだに手塚治虫先生と変わらぬやり方で描いている漫画家さんも多い中、彼の思い切った舵取りは今後、良い結果を招く気がしています。

余談その2

このエントリーは『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』(リンダ・グラットン著)の影響を受けた内容となっています。もし興味があればご一読を!

余談3(3/13 15:27)

長谷川恭久さんのブログに、『機械化によってはじまる未来のデザインプロセス』というエントリーがありました。

制作者が学習をはじめたと同時に、自動化ツールや無料サービスが登場しています。機械化がますます進んでいくなか、人が Web やアプリをデザインする意味というのはどこにあるのでしょうか。価値を見出すヒントが 4 つの「C」に隠れています。

こちらも参考になりますよー!

カテゴリ:In My Circle, 考えた Posted by 千貫りこ on 2013年3月13日