In My Circle

せんがんが、よしなしごとをつづります。

仕事とカネと時間と私

仕事の相棒わだっちから発せられた「りこさんの進行がオラオラで」という一言が、ボディブローのようにジワジワ効いている最近のワタクシ(笑)。
…あ、誤解のないように。わだっちの言うとおりなのよ。「なんとオモシロかつ的確な表現でしょう!」と感心しつつ、いろいろ考えさせられたのでちょっと書き留めておこうかと。

思えば、会社員時代からフリーになって2、3年目くらいまでは、自分で仕事を進行(ディレクション)するような機会はありませんでした。私はあくまで「プロジェクトの一員」として仕事に参加する立場。与えられた役割をひたすら遂行していればそれでOK。

どちらかという職人気質の私はそういう仕事のやり方に十分満足していました。が、フリーランスになると「受け身」のままではいられないもので。予算の少ない案件を引き受けてしまったら、お客さんとのやりとりも制作も自分ひとりでやるしかないのだ…ということに遅ればせながら気づいたわけです。

で、やっぱりお客さんには喜んでもらいたいし、仕事ができることは自分の幸せでもある。だからお客さんに頼まれれば、多少無理してでもがんばって応えました。締切りに間に合わなそうなら徹夜もしました。予算が多い仕事も少ない仕事も、同じように全力投球したものです。

でもね、いつしか気づいちゃったのよね。仕事がスタートするときはやる気まんまんなのに、途中からはいつもグチを言ってる自分に。

* お客さんの希望どおりにスケジュールを空けていたのに、電話一本で延期される
* 出口が見えない修正地獄
* 締切りは決まっているのに、いつまで待っても原稿を支給してもらえない
* なんだかんだで1ヶ月ちかくかかりっきりなのに、ギャラは10万円

…などなど。今から思えば、あのころはだんなさん相手にグチばっかり言ってた。しかも、自分としてはかなり頑張ってるつもりなのに社員時代とくらべて年収ガタ落ちで。
「おぉ、このままだと仕事がキライになってしまう!」と危機感を覚えた私は、ここでようやくじっくり考えることにしました。

まず、自分のストレスの原因はなんなのか。
つきつめていくと、(細かいことは色々あれど)要は「お金」と「時間」だと気づきました。
労働と対価が釣り合わない(と感じる)こと、お客さんの都合のせいで布団で寝られなかったり友達との約束を断らなきゃいけないこと。私の不満は結局この2点だったんです。

じゃあ不満を解消するためにどうすればいいのか。
…うーん、それは今も模索中です。スミマセン、ズバリな解決方法はまだ出てません。

ただ、じっくり考えたあの日から今日まで「お客さんにも責任を持っていただく」ということだけは徹底してます。

私は、自分が進行する仕事のスケジュールにはかなりこだわります。仕事が始まったらすぐに、「お客さんに守ってもらう締切り」と「自分が守る締切り」を一覧にしてお客さんに提出します。途中で状況が変われば、その都度スケジュールを引き直していちいち確認してもらいます。こうして、「すべての作業はスケジュールにのっとって進められること」と「お客さんが締切りを守らなければその分全体が遅れること」を承知してもらうのです。

もちろん「スケジュールは絶対!」なんて言うつもりはないですよ。全体的に余裕のあるスケジュールなら多少の融通はきかせられるし、自分がちょっと無理することでお客さんの遅れを吸収できそうならそうします。でも、フリーランスはひとつの仕事だけしてればいいってわけじゃないんです。いくつかの仕事を同時進行してたら無理がきかないこともあります。
そんなとき、スケジュールの重要さをお客さんがきちんと理解してくれていれば、ほとんどの場合は納得してもらえます。

細かいスケジュールを立ててお客さんと共有するってことは、自分の時間に保険をかけることになるのですね。
そして、スケジュールを重視するとお金の話もスムーズにできるようになります。

もし最初に「1ページ○○円」といった見積りを行ってしまうと、その1ページをつくるためにどんなに手間がかかろうと時間がかかろうと「1万円」という金額は動かしようがありません。でも、「白」を目標としてつくっていたページを途中で「黒」にするよう命じられたら、実際にはどうでしょう。下手すると、1つのページをつくるのに2倍の時間と労力がかかるかもしれません。

「私は時間を軸にしてお金を算出するのだ!」と決めておけば、上記のような状況に陥ったときに、ギャラの増額を打診しやすくなりませんか?お客さんがどんな反応を返すかは分かりませんが、少なくとも自分の中のハードルが低くなりませんか?

そして実際のところ、スケジュールの感覚をきっちり認識してくれてるお客さんは、お金に関してもこちらの要望を聞き入れてくれる場合が多いのです。

てなわけで、こんな考えのもとに仕事している私は、そうじゃない人からすると「オラオラ」に見えるんだと思う。それはよく分かるの。これまでに「めんどくさい制作者だな」とか「お金を払ってやってるのにエラそうに」と不満をもったお客さんもいらっしゃると思います。自分でも「あれはちょっと強引だったな」と後悔することが無いわけじゃないし。

ただ幸せなことに、最近の私は仕事の不満とかグチがほとんど無いんですね。
一緒に、積極的に作品をつくりだそうとしてくださるお客さんとの出会いは感謝そのもの。気持ちに余裕をもって取り組んでいるから、どの仕事にも学びがあり、毎日が充実しているのです。

まだまだ未熟で方法論を確立できてないけど、自分の場合は「お金」と「時間」さえ満足できれば多少のことは気にならないことが分かってるので、これからもこのテーマを追求していこうと思ってます。

カテゴリ:In My Circle, 考えた Posted by 千貫りこ on 2010年7月6日