In My Circle

せんがんが、よしなしごとをつづります。

Webデザインに関するあれこれ

webcreatorbox.comさんの記事が盛り上がってるようですね。
こもりさんのところにお手本みたいなエントリーが公開されてるので私が書くことはもう何も無いのですが、このテーマはもう何年も考え続けているので、自分の頭をちょこっと整理するために書きます。

社員コーダ—時代の話

私は、ざっくりした言い方をすると「デザインの重要性はそこそこ」派です。

これはおそらく個人的な恨み(!)も関係していると思います。
というのも、私が制作会社でコーダ—として仕事をしていた頃って、今とくらべものにならないくらい「デザイナー>コーダ—」の図式がハッキリしていたように思うのですね。

分かりやすい例をあげると、デザイナーはクライアントとの打ち合わせに同席するのに、コーダ—は連れていってもらえなかったんです。基本的にコーダ—は、社内で仕事が落ちてくるのを待つだけ。気づいたときにはかなり無理のあるデザインカンプがクライアント合意のもとでできあがっていて、「今さら変更できないから」と言われて四苦八苦して実装したこともあります。そりゃ何年経ってもギリギリしますわね(笑)

ただ、その当時の私は「くやしいけど仕方ない」と思ってたんです。
だって、Webサイトは結局は「見た目」だから。
HTMLソースの美しさなんて、制作者の自己満足。クライアントにとっては意味のないことだから。

でもその一方で「なんかヘンだ」という思いも持ち続けてました。言いようのない違和感を解決したい+自分が愛してやまない「コーディング」という仕事の意義を探すため、手当たり次第に書籍を読んだものです。

そんなこんなで何年か経って、いつの間にか自然と「HTMLにもデザインにも同等の価値がある」と思うようになりました。
今ならハッキリ言えます。Webページの価値は、HTMLの質(だけじゃないけど)に大きく影響されるということ。
Webページの裏側は、クライアントにとっては意味がないかもしれないけどユーザーには意味があるということ。

そう思うようになった理由はいろいろです。SEOとか、ブログの台頭による「読み物」重視の傾向とか、「アクセシビリティ」という考え方の一般的な広まりとか。
特に大きいのはCSSを使うようになったこと。それまでのHTMLは「デザインカンプを再現するためのもの」でしかありませんでしたが、装飾に関する記述をCSSにまかせるようになったことでHTMLの役割が全くといってもいいくらいガラッと変わったんです。

私自身、CSSを使うにあたり、HTMLに対する意識を変える苦労は相当なものでした。

…そう、マークアップ=原稿を読み込んで正しい(と信じた)タグをつける作業は、真剣にやろうとするとそう簡単にはいかないハズなんですよ。マークアップを生業としているみなさん、大丈夫ですか?

デザインとコンテンツは切り離せる

いろいろ書いてますが、つまりは「見た目」(CSS)がボタンひとつで切り離せるようになった今、デザインだけじゃなく「コンテンツ」(HTML)もしっかり気合い入れて作り込まないといけないよね、ってことです。どっちが大事でどっちが要らないとかって単純な話ではなく。

冒頭に書いた「デザインの重要性はそこそこ」という言葉は、「Webにおけるデザインで重要なポイントは『見た目の美しさ』ではない」と言い換えることもできます。読みやすい工夫だったり適切なコントラストだったり、そういった「使いやすさ」がベースにあって、その上でさらに美しくて印象的な装飾がほどこされていれば言うことないね、というレベル。

昔話ばかりで恐縮ですが、かつては1ページごとに細かいデザインを変えるのが当たり前でした。そうしないとユーザーに飽きられるとみんな信じていたわけです。でも女子高生も老人もブログを使うようになって、「肝心なのは見た目じゃなく内容」だってことにみんなが気づいたんだと思います。たとえ同じデザインフォーマットの中におさめられていても、ある日のエントリーはおもしろいし、別の日はおもしろくない…こともありますよね。

ちなみに私の日常巡回リストには「見た目が美しいサイト」が一切入っていません。
ほぼ毎日欠かさず見るのは、ニュースサイトとか誰かのブログ。で、「おもしろそう」と思った記事はInstapaperに登録します。登録した記事は移動中にまとめて読みます。
こんな閲覧方法をとっている私のようなユーザーにとっては、そのサイトがどんなに美しい装飾で覆われていても目に入りません。私が欲しいのは、私にとって大切なのはコンテンツなんです。

Webは、デザインとコンテンツが切り離せる希有なメディアです。
当たり前だけど、印刷物とは違うのです。

Webデザイナーの明日

「美しい装飾の優先順位が低いなら、デザイナーの価値はどこにあるのか」と思われるかもしれません。

もちろん、あります。ありありです。
私みたいにデザインセンスの無い人間はそもそも、見る人に「使いやすさ」どころか感動を与えるようなデザインなんて実現することはできないのです。まさに、餅は餅屋。

もし目の前のWebデザイナーさん(もしくはご自身)が「見た目の美しさ」 だけに意識を向けているのなら、その意識を「使いやすさ、機能美」にも向けることが必要です。どうやったらユーザーに「使いやすい」と感じてもらえるのか。これは、持ち前のセンスだけに頼っていては実現できないでしょう。継続的な研究や情報収集が必要です。また、時には基本のデザインセオリーを勉強し直さなくてはいけないかもしれません。

そして、Webデザイナーが知らなくてはいけないことはグラフィックソフトの使い方だけじゃありません。
CSS3で新たに追加されることになるプロパティ、どんなものがあるか知ってますか?
jQueryがどんなものなのか自分の言葉で説明できますか?
Wordpressのインストールをやったことがありますか?

「Photoshopチュートリアルまとめ」みたいな記事をいくら熱心に読んでいても、Web全体の技術を知らないと新しい表現の可能性を見逃します。誰かがつくったサイトを見てから試すのでは、すべてが後手後手になりますよね。
別に、コードを書く必要なんて無いんです。「何ができるのか」くらいは知っておきましょうよ。

—–

てなわけで、まだ頭の中で考えていることの1/10もまとまってない気がするのですが、とりとめがなくなっていきそうなのでこの辺で。

カテゴリ:In My Circle, 考えた Posted by 千貫りこ on 2011年6月22日