『WebSig 1日学校2011』に出演しました
9月10日(土)に開催された『WebSig 1日学校2011』に出演しました。
当日私が担当したのは「非フロントエンドエンジニアのための選択授業」という枠で、私から見た「フロントエンドエンジニア(以下、FE)の意義」や「これからのWebサイトのありかた」などをテーマにお話しさせていただきました。
…のつもりだったのですが、私自身の未熟さや緊張が原因で伝えたいことの半分も伝えられなかったように感じたので、補足のためにこのエントリーをあげます。
そもそもFEって?
最初に、事前にtwitterでおこなったアンケートにいただいた回答を掲載しますね(原文ママではありません)。「FEの定義」や「FEに期待すること」について答えていただきました。
- SEOやトレンド、メンテナンスの効率化、アクセシビリティなど諸々をもちろん踏まえた上で「今回どういう仕様にするか」を判断できる
- 「テクニカルアートディレクター」みたいな存在かも
- JavaScriptをマスターしたマークアップエンジニアの上位クラス
- ユーザーの手に馴染むようなUIを考える人
- 質とスピードを両立できる人でありたい(現役FEさんから)
いやー、正直言って「FEって、自分が想像していたよりもずっとハイレベルなものだったんだ!」とガクゼンとしました。
私自身が想定していたFEの定義は「HTML、CSSの知識をベースとして、JavascriptやPHP、Perl、CMSの独自タグなどを必要に応じて使う人」だったので…。
かなり焦りつつ、でも定義を決めないことには話を組みたてられないので、今回はひとまず自分の定義に基づいて背伸びせずに話を進めさせていただくことにしました。
フロントエンドエンジニアの仕事って?
ひとつめのテーマ「フロントエンドエンジニアの仕事って?」を語る際に私が何度か口にした「精度の高いマークアップ」とは、つまり「デザインに引っ張られないマークアップ」のことです。
当日のスライドの例はその顕著な例だと考えています。あのソースの何が悪いのか、もうひとつのソースのどこが良いとされているのか。たとえ経験を積んだFEでも、きちんと説明できない方が(中には)いらっしゃると思います。
CSSはデザインカンプと密接につながっていますが、HTMLはまったく(と言い切れない場面もありますが)別モノです。
当たり前のようでいて、いざ実践に結びつけるとなると難しいポイントを、非FEさんにもご理解いただきたくてお話しさせていただきました。FEの力量を評価する上でのひとつの指針になるかと思います。
フロントエンドエンジニア受難の時代!?
技術は日々進化し、トレンドはうつりかわり、アプリケーションはバージョンアップを重ねます。それらに対応することだけで精一杯で、疲れきっているFEのなんと多いことか…。でもこれは、FEに限らずどの職種にもいえることですよね。
「Web制作」という動きの早い業界に身をおいているかぎり、トレンドに目を配ることは最低限のたしなみでしょう。でも、表層の情報を追うだけで本質を見失ってしまっては本末転倒だと感じます。
私は15年ほどWeb制作の仕事を続けています。歴史の浅いWeb制作業界においては、これでも中堅もしくは古参の部類に入るかと思います。その私から見て、15年前と今を比べると当然「浦島太郎もビックリ!」というくらい色々なことが変化しているのですが、実は概念的な部分は大して変わっていない気がします(個人的には、テーブルコーディングからの脱却の際は、それまでの概念を180度変える必要がありましたが…)。
たとえば、ブロードバンドの普及やマシンのハイスペック化にともなってWebサイトのデザイントレンドは刻々と変化してきました。コンテンツの幅が広がったり巨大な背景画像がしきつめられたり。でも、基本のセオリーに大きな違いは無いように思うのです。
「いろんなことが変わり続けているように見えて、実は大して変わっていないんじゃない?」
これは、ここ10年近くずっと感じ続けていることです。
私は、「概念(本質)さえしっかり理解しておけば日々の情報にふりまわされる必要は無い!」と考えています。
もちろん「知らない」よりは「知っている」方が有利に決まっています。でも、技術やトレンドに目を奪われるあまり、「流行っているからこうしよう」「みんながやっているからやらなくては」というのは、なんだかおかしい気がするのです。
仕事で必要になったときに、そのつど必要な(と思われる)情報や知識を的確にピックアップするのも“才能”であり“技術”です。
また、常に最新の技術や最新の表現を導入しないといけないのか。これも落ち着いて判断したいところですね。目新しいものに踊らされるのではなく、常にニュートラルな目線で「目的を達成するためにどの方法が最良か」を見極めることの大切さを、あらためて考えるきっかけにしていただけたらうれしいです。
これからのWebサイトを考える
当日は漠然とした話になってしまいましたが…。
これまでの「制作者が提供する形態で閲覧する」スタイルだけでなく、「ユーザーが自由な形態を選択して閲覧する」スタイルも視野に入れることで、まったく新しい、そして真に効果的な情報提供の可能性が見えてくるのではないか、と考えています。
ここでお話しした内容は、「概念」に通ずるかと思います。
チームのみなさんへ
授業後、参加者のおひとりが「せんがんさんは会社員時代にチームで苦労されたんですね」というコメントをくださいまして…。「キャー!こころの声が届いてしまった!!」と焦りました(笑)。
いやいやいや、フォローするわけじゃないんですが、私は制作会社時代の仲間には本心から感謝しています。いまだに尊敬する人もいるし連絡を取り合う人もいます。もちろん、社員全員と良好な協力関係を築けていたかどうかは分かりませんが…(あはは)。
でも、所詮はヒトとヒトとのことですもの。心を開いて素直に接することのできた相手と、そうでない相手がいるのは当然ですよね。
そういった経験もふまえて、最後の「結局はコミュニケーション」というまとめにいたりました。
組織に属している人はぜひ、ちょっと迷ったら気軽に周りの人に声をかけてみてもらいたいです。結果、望む答えにたどりつけなかったとしても、協力してもらえなくてムッとすることになったとしても、また懲りずに話しかけてみてほしい。
また、小さな組織のメンバーやフリーランサーなど孤立した状態で仕事をしている方なら、同業者と横のつながりを持って気楽に仕事の話ができる環境をつくってみてはいかがでしょうか。
周りを巻き込んでいくことで、ひとりでは気づかなかったことに気づける機会がきっとあると思います。
そしてその気づきが、あなたがつくったサイトを利用する誰かさんの暮らしを少し便利にしたり、一瞬でも華やいだ気持ちにさせることができたらステキだと思うのです。
最後に
今回のイベントを運営されたスタッフのみなさん。今回はお声がけ本当にありがとうございました。
来場者を喜ばせようという気合がほとばしった、すばらしいイベントでした。感動しました。
来年も是非、なんらかの形で参加したいです。生徒コスプレもよろこんで!!
カテゴリ:In My Circle, 話した Posted by 千貫りこ on 2011年9月12日


